とき:5月12日(土)、若潮
ところ:鶴見・テッポウ

『上天気、釣果は二の次 & バッキン!?ハプニング釣行記』

久しぶりに師匠から電話、“クロ釣りに行こう”とお誘いを頂いた。生憎第二土曜日、鶴見,米水津は休漁日で瀬渡しは休みだった。そこで、いつも大変お世話に成っている西野浦釣りセンター(NFC)の永福丸を利用する事にした。

当然ながら予約が一杯だった。一便は午前2時出発で沖黒周辺に、二便は午前4時で横島、鶴見半島周りだったので、4時便で行く。殆ど常連客なので、皆さん早々予約を入れていたのだった。

師匠と私は横島を断念して、予約が無かったテッポウに渡礁することなった。道具を片付け、コマセの準備をしているうちに、早くもキャップライトが要らない位にあたりは明るくなってきた。

潮通しが良いといっても、若潮のこと・・・心配しながら6時頃から釣りはじめた。しかし、9時過ぎまで下げ潮のはずだが、ここは引かれ潮が強くなければ動かない位置にある。テッポウの離れのほうはサズリ方向から出てくる潮が足元をかすめて流れるので有利だ。当然そこには上がっている。その二人組みのうち南側の一人に良くアタリがあった。棚は二ヒロほどにして、アタリウキをセットしている様子が遠目にみてとれる。釣り方を心得た釣り師のようだ。

さて、師匠は沖に向かって右手のサラシ側、私が左のナガウド側に釣り座をとって釣る事にした。日の出前の水温は水深5mで18.0℃だった。回り込んだ潮が時々当て潮気味に左へゆっくり流れるが、殆ど流れない状況が続く。餌盗りにキタマクラとハゲが集まってくる。時々小魚の群れが海面近くまで来てコマセの周辺を通り過ぎて行く。暫くするとコッパグロが下からチョロチョロ顔を出すが、良型の姿は確認できない。

師匠は頻繁に仕掛けを作り変えて、始めの一匹をゲットしようと努力を続けていた。潮が少し左へ流れたとき、努力が実って、サラシの先で師匠が35cm程のクチブーをヒットさせたのだったが後続なし。

下げ潮一杯、上潮がゆっくり左流れだったが、底潮が余り動かず、コマセと同調しないし。当然ながら潮の子の魚の活性が上がらない。午前10時から潮の動きを観察しながら、休憩したり、竿だししたり・・・。大潮なら潮の変わり目に沖に払い出す潮が出来るのだが、今回その流れは一瞬の事だった。

昼過ぎ、海面が変化を見せ始め、潮の流れが変わったことを知らせてくれた。満ち込みの潮が遅れて押して来た(左流れ)。正面に少しボーズが出来る。これは底潮が動いている証である。ここで初めて私は仕掛けを作り変えたのだった。この潮で勝負をかける。M2Bのウキに段シズをハリスに打ち、ぎりぎり仕掛けにした。

釣り座少し右前の潮目にコマセを打ち、仕掛けを同調させ、追いコマセを打ち、20m程流して回収するアタリが出ないが、餌が無い!10m流して回収?餌が無い(かじられたのではなく綺麗に盗られている。手前には未だ餌盗りが居るようだ)。その次に流した時、10m程流れてからウキが押さえ込まれた。その瞬間にピっと小さくアワセをくれるとマルハゲがヒットした。その間に流れは更に速くなって行く。

同じポイントにコマセを打ち込み、仕掛けを潮下に打ち込んでからコマセを被せる。仕掛けがなじんだ時にはかなり先まで流れていった・・・左の払い出しの先で潮が当たっている、スピードが遅くなり、少し沖に流れが変化している辺り・・・少し道糸に抵抗を与えてから糸を送り込む・・・ウキが見えない!糸がバラバラと出て行く、あわせをくれると、強い引きが竿に乗ってきた。手前まで寄せてきたところで足元に突っ込みを見せたのを交わし、グイーンと竿に乗せた瞬間、信じられない事が起こった・・・

“バッキン!”、愛竿が元竿からぶち折れたのだ。急いで海中に沈もうとする折れた竿先を手繰り寄せ、竿と道糸を押さえてみると、未だ魚は掛かっている。ふけ糸を取り竿に溜めて師匠に応援を頼んだ。師匠にリールのついた元竿を持ってもらい、私が手繰り寄せた分後ろでリールを巻いて巻き取ってもらう、なんとも滑稽で情けない構図であった。 約4.5mの折れた短竿を使い、手で糸を手繰りながらのやり取りは、とってもスリリングで楽しいものであった。苦労の末ゲットしたのはクチブー38cm。

直ぐ予備のタックルに取り替えて、戦闘再開だ。 
海面は潮流と波で騒ぎ、仕掛けは少し沖へ押し気味に左に流れる。アタリが無いまま40mほど流れたところで、魚信がきた。フッキングさせてから強引に寄せにかかった、彼奴はグングン潜ろうと突っ込んでいく・・・、突っ込みを交わして浮いてきたのは、なんとシマの消え始めた石鯛(サンバソウ)だった。ウッハー、かみさんの喜ぶ顔が浮かぶ。

3時頃になると潮位が上がり、少し波が出始めて、釣り座にシブキが掛かる様になってきた。時合いのいい雰囲気だ。ハリスを交換して回収前にもう一勝負。期待通りに喰ってきた!チョット肥満気味の産卵前のクチブー39cmをゲットしてから、船長に電話を入れたら、もう回収に回っているとの事、ゴールデンタイム突入であったが、無念の納竿とした。

潮が流れず、アタリが取れないので、頻繁に
仕掛けを変更する師匠
潮止まり
天気は上々、穏やかな私の釣り座前
殆ど潮は行かず、死んでいた
何とか産卵前のクチブー2枚と石鯛1枚をゲット
いずれも38~39cmでした
テッポウ隣の離れの回収風景

この頃波が出始めた

残念ながら、
ゴールデンタイムを前に回収と成ってしまった


後書: 竿バッキン劇で修理見積り約4万円とか・・・ガッハッハッハ//知らぬ間に傷が入っていたのだろう(泣)。さて、上天気の日和に、久しぶりに師匠と並んで竿だし出来たので、楽しい時間を持てた。といっても日中師匠は昼寝をしていたが・・・、夕マズメの時合い、この時期のグレは矢張り活性が高い。多分あと1時間有れば、入れ喰いに成った・・・かも知れない!?
それ以外にもハプニングはあった、回収便での事だがサズリの4人のうち一人(ライフジャケット着用)が竿ケース掴んで海に浮かんでいる、近くにバッカンなどが・・・落ちて間も無くだった様子だ。船長の指示で無事に回収できたのだったが・・・、連れの3人は崖の上、成すすべも無く呆然と海に落ちた釣り人を見て立っていたのが印象的だった。本人は怪我も無くて本当に良かった。

ところで我輩、そのままでは終わらなかったのでした・・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜end〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜とよいそ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜