とき:2011年7月2-3日、大潮〜中潮、曇り
ところ:米水津/沖黒/長ミゾ
ねらい:クロ
4月の長太以来、久し振りの沖磯釣行だった。西野浦釣センターを7月2日(土)午後3時過ぎ、北さんこと山北さんと二人第八栄福丸で出発。狙いは長太のデカバン尾長だったのだが、先客が瀬泊まりで竿出し中だったので、沖黒へ迂回した。
(長太バエ:参考写真)
賢明な久寿米木船長は、そんな事も有ろうかと沖黒のナガミゾを押さえてくれていた。北九州の常連さん3人が前日から場所とりで待っていてくれたのだ。感謝!感謝! 釣り場の情報を頂いてから、入れ替わりに瀬上がりする。ここは南東向きなので、ウネリが有ると満潮時には高い釣り座まで波を被る心配がある。船長が“荷物は高い所に上げて置けよ”と注意してくれた。波を被った後の水溜りがあちらこちらにあり、うっかりすると足を滑べらして水溜りにポチャンの危険がある。
【釣り場情報】
(長ミゾ:参考写真)
今回は大潮の最後から中潮、まだウネリが残っていた。潮位が高く、満潮時には高い釣り座ギリギリまで波が上り、後ろの崖下を海水が流れたることもしばしあった。
荷物を背後の急な崖に分散して乗せてから、竿立てとチャラン棒を打ち込み、道具をセッティング。風が無いから蒸し暑くて頭からも汗が噴出す。半袖シャツの上にライフジャケット着用のスタイル。
【仕掛】
今回のクロ釣り用(日中)は、KZ_GTRのM0号ウキだけを使い、全層誘導仕掛で遊ぶ事にした。道糸2号、ハリス2号、グレ針5号、ハリスに潮受けヨリモドシG3で2日間通した。これは私のイメージを実釣で確認する為だった。
夜用は別の竿で、仕掛けは、半誘導仕掛で円錐電気ウキ2B、道糸3号、ハリス3号直結、潮受けヨリモドシB+ジンタン2号 、チヌ針3.5号の組み合わせをチョイスした。
仕掛けを作ったところで、北さんが私用に作ってくれたお手製の特製釣りグッズを出してくれた。全て柄の部分が竹製で、しかも細工が施してあるではないか。芸術品だ!使うのが勿体無いと思ってしまった。北さん、有り難うございます。大事に使わせていただきます。
【状況】
さて、大潮で低気圧、良く経験するのだが潮の動きが悪くなる事が多い。今回は殆どが左流れの反転流で、しかも沖から押してきてナガミゾ奥のワンドに向かいビロー下に抜ける厄介な流れが長く続いたので、少し難しい釣りになった。
【実釣】
コマセを作り、サラシの先と沖の流れの潮上に、柄杓で数杯づつコマセを打って流れ具合を確認。仕掛投入前に、投入点の潮上に数杯コマセを打ち第一投を投入。仕掛けを馴染ませてから少し張りを持たせ、追いコマセを数杯投入、少し流して又少し張りを持たせてから後はどの様に流れるか様子を見る。午後5時頃になっていた。
ビロー下の手前辺りで沈み気味に流れていたウキが斜め右下に走り、道糸が張り、竿に乗った。左に突っ込まずに右に走ったのでクロではなさそうだと直感。少し巻いて竿の弾力で溜めて右に煽ったら向きをこちらに変えたので、後はポンピングをしながらドンドン寄せてきた。少し頭を振って突っ込もうとするが、難なくさばいて浮かせたら、44cmのマダイだった。タモで掬って見たら、右側の地獄にガッチリフッキングしていた。これで、一煽りですんなり向きを変えて我が軍門に下ったことが力学的に納得できた。しかし、磯に来てもマダイを釣ったので、北さんと大笑いしてしまった。兎も角、一投目にしてラッキーな目出度い真鯛一匹である。
一流し目、始めは張りを作って、その後は殆ど行け行けドンドンで道糸を送り込んで流して、ヒットする少し前に少し仕掛けを張って見たが、マダイがヒットしたという事は、潮に引かれながらサシエ先行で可也深くを流れていたのではないかとイメージした。
兎も角、この潮だとポイントがドンドン遠くなる。潮下の左側には北さんがいるので、なるべく潮上から流すことにした。
チモトに傷が入ったハリを結び直して、仙崎向き沖の潮目へ遠投気味に投入して流す。ありがたい事に、殆ど風が無いから仕掛けの操作が自由自在である。
数投目に矢張りビロー下手前で道糸が走って本命の地グロがヒットした。35cm程だったが、1匹目という事で大事にキープする事にした。その後、数投目に又マダイの30cm程を一枚追加した。
その後、潮の流れが変化して手前に早く押して来る流れに変わり始めた時、サラシの先を流していた北さんが “来たー!” と叫んだので、振り向くと、 “やられたー!”と言って張りの無い仕掛を回収している。
どうしたんですか?と聞いたら “いきなりグーンと来て、プッツン!しちゃった。今のはオナガだ、悔やし〜〜!” と地団太を踏んでいる。正に夕マズメのゴールデンタイムの出来事だった。
その後はエサが残り始めた。そうこうする内に暗くなってきたので、アジが出るか、もしかしたらデカバンが出るかも…と夜用のタックルに持ち替えた。サシエのオキアミ生もワンサイズアップして、 遠投して瀬際に突っ込んでこない流れに乗せるように工夫して流した。
暗くなると投入するコマセのポイントへの命中率に神経を使う。ヒットポイントが30〜40m程先になるので、その辺りでサシエがコマセの帯の中に同調する様なイメージを作りながら、ウキの潮上へ直線状に数回コマセを投入する。このようなイメージで、流れを釣る事が出来るのが沖磯釣の楽しさだ。
今度も一投目でヒット! 結構な引き味だがクロではなさそうだと思いながら足元に寄せて抜き上げたら、大アジだった。仕掛けを準備している北さんにヒット棚を教えて、直ぐ2投目、仕掛けがヒットポイントに入るまで時間が掛かる。すると又同サイズのアジがヒット、続いて北さんにもヒット。とりあえず釣ったアジは〆て血抜き処置をしておき、急いで同じポイントから流す…又アジがヒット。3匹目までは35〜40cm前後の大アジだったが、その後の7匹は25〜30cmのアジに変わってしまったが、カーちゃんが喜ぶ豊後のアジだ。数匹は口切れなどでバラシも有ったが、良い土産が出来たと北さんと喜ぶ。
仙崎沖に集魚灯をたくさん点けた大型漁船がいて、夕方から明け方まで月明かりのようにズーッとあたりを照らしていた。
満潮の潮止まり頃、当て潮が強く、潮が釣り座に当たって左のナガミゾ奥へ走るようになったので、休憩してBBQタイムに突入。そこで北さんがファン付きのお外でノーマット(蚊とり)を風上のチャラン棒に吊り下げてくれた。煙も臭いも無いのだが、こいつは良く効く。流石は北さんだ、有り難うございました。
尚、もし本命の長太に上っていたら、この満潮前後に去年見たデカバン尾長を狙う積りだったのに…、もし磯遊人さんが一緒だったらガッカリさせてしまったかも知れないなー、なんて考えながらしばらく波の音を聞いていた。
汗に濡れたシャツを着替えて、北さんが用意してくれた炭焼きセットの火を起し、先ずはビールで乾杯!うま〜い!多彩な組み合わせの串焼きをほおばりながら、ビールが進む。日中から可也の水分補給をしていたが、磯で飲むビールは格別な美味さだ。話とビールが進み、更に焼酎に変わり、やがて眠気が…。10時を過ぎると瀬渡し船が何度もサーチライトで空いているところを探して廻る。ナガミゾ奥に一人上げた、その後はビロー下にお仲間らしい二人を下ろして行った。これで沖黒周辺は満席状態になっただろう。
満潮過ぎだが、幸いにしてうねりも大した事は無く、少し蒸し暑い微風の夜。雲の切れ間から星が二つ三つ見え隠れしていたが、それも少しの間だけで又雲間に隠れてしまった。二人で各自のエアーマットを膨らませ、二つ並べて仲良く就寝zzz…。(二人ともテントを持参したのだが、今回は無用の長物である)
夜中2時過ぎ、小雨を感じて目が覚めたので、薄い銀色の保温シートを掛けて暫くウトウト…3時頃起床。雨は止んでいた。先ずはお湯を沸かしてモーニング珈琲で一服。
バッカンのコマセを追加、先ずは夜釣り仕掛けを数回投入して潮の動きを観察。下げ潮5〜6分頃だが相変わらず左流れで当て潮に変わりがない。風は東のサラシから畑野浦湾方向に吹いている。沖の潮目は表層が風の影響を受けているがその下は逆に左に流れているようだ。
潮の流れをイメージしながら、釣り再開。数投目にウキに当たりが出た、上がって来たのは大アジだった。しかし、後が続かないうちに明るくなってきたので、竿を持ち替えて、又クロ狙いにした。サラシの先に流すと直ぐ左の北さんの方に流れてしまうので、数投してから矢張り沖目の潮に乗せて流す事にした。
外回りの潮に乗って流れていたウキが消しこんだ!下に突っ込んで来た、もしかするとクロだな、と期待しつつ突込みを交しながら浮かせたら良型の尾長だった。無事タモに収めた。ヤッター!嬉しい一匹だ。
暫くして、北さんが竿を曲げた、必死に走りを止めようとしている。デカバンがヒットしたらしい。走ったのは足元から右に張り出している沈み根の底の方向である。竿で溜めながら私の釣り座まで移動して来て何とか引きずりだそうとしたが、根に貼り付いたのか動かなくなった。色々操作して一瞬動いたのだが直ぐに動かなくなってしまい、遂には結線箇所からハリスが飛んでしまった。残念無念!
その後サシエが残り始めた朝の満潮頃に休憩。朝食をとった。
納竿まで3時間ほど有るが、コマセは丁度良いくらい、最後の竿出しを再開。相変わらず突っかける潮が流れていた。なるべくユックリ流れる沖目を狙って投入するが、思うようには流れてくれない。時々サラシの先が伸びたりするので、その潮に乗せて仕掛けを流してみたら、アタリが出て一気に横走りした、糸を張ったらバシャバシャっとライズした!噂のシイラが喰いついたのだ。60cmほどの奴が暴れまわる。筏でデカボラをいなすよりた易い相手だ。瀬際に寄せてタモに…こいつがすんなりとは納まらない。入ったと思ったら飛び出してしまう、3度目にやっと確保。ハリを外してリリースした。
ハリを結び直して仕掛けを投入すると、直ぐに又シーラがヒット。そんな事を4回繰り返して全てリリースして上げて、しばし休憩。
良い潮が行くのを待ちながら、海面の表情の変化を暫く観察していた。北さんは先にコマセが終わり、早々に片付けを始めた。残り1時間となって若干正面の潮が変わり始めたから、手前の突っかけ潮は捨てて、正面から少し右側を遠投気味に攻める事にした。だが、潮の流れが微妙に変化して安定しない。
30分ほどして少し右に流れる潮を捕らえてジックリ攻めていたら、やっとウキにアタリがでた…沈んだところで合わせをくれたら竿に乗った。沈み根の下に走ったので竿を目一杯前に出して沈み根の海面に出ているところを、ぎりぎり先端まで道糸を巻きながら移動して行ってから浮かせたら、なんとデカイサキだった。釣り座まで誘導して、タモ入れ。これでフィニッシュだ!丁度時間も良し、コマセもおしまい。区切り良く納竿とした。
★初日は、写真を撮るのも忘れて遊びに夢中になってしまった為、翌日になってから少しだけ写真を撮りました。
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ナガミゾ 釣り座風景 |
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遠くでアジをヒット! |
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良型の尾長ちゃんをゲット! |
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北さん、強烈な引きに耐えているのだが、 カメラを向けたら、ニッコリ! |
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私の釣り座まで移動して来て、頑張っている… この後、痛恨のバ・ラ・シ! |
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この魚は、何でしょう? 4匹目のシーラちゃんです |
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最後の最後に良型イサキをゲット |
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楽しかった一泊二日のナガミゾ滞在を終え、 迎えの第八栄福丸を待つ |
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今回の釣果 マダイx2 口太x1 尾長x1 イサキx7 アジx10 |
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船長が愛情と技量を注ぎ込んで 改装している“釣りセンター丸” 装備の取り付けを待って、 近々デビューする予定。 *フットワーク宜しく、 船釣りと瀬渡しに活躍が期待される! |
■後書:沖磯に行かない期間が長かったので、山北さんと久し振りに磯で釣りが出来たので、とても楽しかった。
未だ技量不足で、クロの数や型には恵まれなかったが、日中はGTR一個だけで色々試してみる事ができた。それで釣果を出せた事が私自身にとって収穫と成った釣行だった。
山北さん、久寿米木船長お世話様に成りました。有り難うございました。また次回も、宜しくお願いします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜by Toyoiso〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜