とき:7月10日(日)・・雷雨
ところ:鶴見・フクシマ権現⇒小島


『雷雨とパン粉釣法』
【プロローグ】

遅れてやって来た今年の梅雨。来れば来たで前線停滞、濠雨…ほどほどが良いんだけれどな〜〜。天気が悪かろうが行くと決めたら出掛ける釣りばか。師匠に声掛け土曜日の9時マツキで落ち合い10時に出発。今回はパン粉釣法にコダワル事にした。後で後悔したんだがね…。

早く出掛けたが、ヨーイドンでは無く5時便なのだ。佐伯でユックリ夕飯を食べてから梶寄に到着。悪天候ゆえ車は少ない。我輩の車で師匠と2人、一緒に寝る為にクーラーを下ろしてシートを倒す。

蒸し暑いので暫くクーラーを掛けて湿気をとる。さて寝る事にしよう・・・・午前1時、ところが車内に蚊が数匹潜入、プ〜〜〜ン、プ〜〜〜ン。射された、ポリポリ…師匠が訴える。仕方なく殺虫スプレーを取りだして蚊が居そうなところにシューシューシュー,ヒャー臭ーい!   眠い…こんな事を2、3度繰り返していたら午前3時を回った。疲れた2人はやがて“爆睡”…zzzzzzzzzzzzz。

“コンコンコン”誰かが窓ガラスを叩く!?寝ボケ眼で振り返ると、船長が車内を覗き込んで呼んで居る。ギャー、既に5時を回ってる!船長スイマセン。急いでレインウエアーを着込み仕度をして船に道具を積み込んだ。

【渡礁】
島影はモヤにかすみ、雲が低く垂れ込め今にも降り出しそうな空模様の早朝、海は少しウネリが有った。磯は混んで居るような、居ないような・・適当に空いている、タチバナ、ビャクビ、四畳半、窓横、ウノトマリ&地は既に釣り人がいた。…コバエはチョット波を被って居る。何時も満員のオオバエを廻って…満ち潮だからとフクシマ権現に上がることにした。

上がってみたら、先端は時々ザザーっと波が上がって来て居た。道具を高いところに集めて取敢えずパン粉釣法の準備をした。竿出しした頃に一時朝日が差し、その後の雷雨の予感すら無かった。

本来ここは籠釣りでイサキ狙いのポイントである。果たしてクロの顔を見る事が出来るのだろうか…と不安の中、師匠は突端の左から、私は右側からそれぞれ狙った。

【久し振りに、パン粉釣法】
パン粉に若干ジャンボを混ぜ少し海水を入れて満遍なく掻き混ぜる。付け餌用にパン粉だけを水を加えて十分練り、元のパン生地の様に作る。それを指の太さくらいに丸めて棒状しておく。それを1.5aほどちぎって丸め、付け餌さとする。ハリを包み込む様にしっかりつける。

狙ったポイントにコマセを打ち込み、仕掛けを投入して馴染ませ、追いコマセを被せる…。絶対的な同調が要求される釣りだ。ウキは浮力の有る物で良い。こうやって居ると師匠と2人、津久見のテトラでパン粉釣法を研究していた昔を思い出す。
それゆえ流が早いところや波っ気が有る時は難しい。従って私のポイントはイサキ狙いには良いが、パン粉釣法でクロ狙いには向かない。ここに上がるのなら,オキアミと集魚材を持って来れば良かった。

師匠は緩やかに引かれる潮に乗せて丹念にクロをおびき出そうと辛抱強くやって居た。やがて師匠がクロをヒットさせた。結構、突っ込む…、鮮やかな竿さばきでクロを浮かせ、自分でタモ入れして42センチの地グロをゲットした。その頃から空に雨雲が広がり、カミナリが鳴り…やがて雨が降り出した。雨脚は徐々に強くなり、チョット止んだ後、今度は土砂降りになったので暫く休憩を取った。

30分程してやっと雨が止んだ。そこで朝食を食べながらオオバエ突端の3人組を見学した。中央の一人だけが頻繁にクロとタカベをヒットさせて居る。両サイドの2人は残念ながら滅多に竿を曲げる事は無かった。

既にコマセは雨を含んで柔らかく成り過ぎ、付け餌さ用のダンゴも柔らかくなってしまっていた。その後、私はタカベとメバルを1匹づつ釣ったが、残念ながら本命は来なかった。何時しか潮は満ち込みに変わり、雨はシトシト振り続く中、釣り座を権現側に取って暫くやって居たが、な〜んにも釣れませんでした。

【瀬替わり】
10時過ぎ、宮丸が見回りにやって来たので、瀬替わりすることにした。どこでも良いからこんな状況で竿出し出来るところなら…と思っていたら、船長が小島が空いていると言ったので上がる事にした。

雨は降りっぱなし、ウネリは有りサラシが強い…。オマケにパン粉のみの釣りをこのままどう進めるのか、内心不安で一杯で有った。

【師匠の一人舞台】
私は、手持ちのパン粉も既につかいずらい程柔らかくなっており、しかもバックアップは無い。師匠に先を譲って好きな様に釣ってもらおうと、邪魔になら無いように1歩引いた釣りに切り替えた。先ず、2人で正面のサラシの周辺を探って見た。やがて師匠がグレをヒットさせたが、足元の根に突っ込まれてバラシてしまった。少し休んでから、師匠は潮を被らなくなった左手の沈みに渡った。

そこで師匠が使った手は、昨年の夏、春木川の河口でやったチヌのダゴチン釣りの要領だった。コマセを打たないパン粉釣法を始めた。これがズバリ敵中したのだった。釣り座前の沈み根に潜むグレを次々に引き出しヒットさせた。師匠がゲットしたのは、35aから45aまでのクチ太5匹。この日の最大は、残念ながら60a程のデカ・イズスミだった。そして、バラシタのは?回も有ったのだった。

どのような状況であっても、師匠は極めて冷静に潮を読み、狙いを定めて的確に攻める釣りを披露してくれた。そこには30年を超えるグレ釣りの多様な経験と釣りに対する飽くなき研究の裏付けを感じた釣行で有った。

宮丸船上から早朝の景色。鶴見崎半島を望む。
瀬替わりした小島で…昼過ぎ。
良型をヒットさせた師匠。
帰りの船上から…。雨は小降りになって居た。

■師匠の釣った45aは、この日最大のクロだと船長が言って写真を撮った。その晩、宮丸HPに掲載された。

■帰り道は大変な豪雨。土砂降りで道路はあちらこちらで冠水、バシャー、バシャーと対向車がハネ上げた水を被り、前方が見えなく成る事もしばしば。大分から別府に入る頃が最もひどかった。

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