とき:10月16~17日
ところ:米水津、沖の観音他…
『ナンとか土産は出来た』の巻
台風23号が南西海上で停滞、その東側に24号も発生。折りしも大陸から高気圧が南下して九州から日本列島に掛って来た。この期を逃すと又暫く釣行出来ないと考え、今回はモイカ狙いも有り、まつきの大会以来となる米水津への釣行となった。
渡船はまつき釣具の店長お勧めでY丸にした。16日(土)早朝5時便、私の他に福岡からの釣り人4人。一人だけクロ狙いで後の3人はモイカ狙いで有った。荷を積み込んで先ず、泳がせに使う活きエサのゼンゴを20匹もらい、出発。
始めに向ったのは、ナンと沖の観音であった。私を含めて3人で渡礁したが、前日夕方上がった先客が一人居たので、合計4人で竿出しする事になった。
釣り座は私が左、昨夜からの先客が右端の船着き、福岡の客が真中とした。残る一人は裏のサラシの方に行きヤエンを使うゼンゴ(小アジ)の泳がせ釣りだった。昨年からヤエン釣りにハマっているそうで、面倒だがオモシロイと仰っていた。
仕度をしている間に夜が明けて、早速足元にコマセを打って様子をうかがう。センプー、ハコフグなどがワッと群がる。満潮前で潮の流れはゆっくり左方向、風はほぼ正面から吹いていた。
実釣:狙うのは水道を流れる潮目である。向かい風の中での遠投でとなった。仕掛けは飛ぶが、コマセを同調させるのに工夫が必要だ。右手の2人は私よりやや手間に潮目がくるので若干楽かも…。潮がたるんでいるのに、皆のコマセが結構バラケて飛ぶ。その結果餌盗りがそこら中に出没して、アタリが出無いままエサが無くなる。右手のふたりはしょっちゅうセンプーにハリを獲られて、ハリを結び直していた。
風が少し強くなって来た。下げ潮になるまで待つ事にして、ヤエン釣法を拝見…竿は高くセットした竿掛けに乗せてある。アタリが出た、緩めたドラッグを鳴らして、ジジ、ジジジーっとラインが出て行く。竿を取り、道糸をとってヤエンを掛ける…のだが、上手く掛けられない。そうこうする内、沖に伸びて居た道糸がどんどん手前にくる、急いで瀬際へ降りて行く…今度はヤエンが絡まる…見て居られない。結局失敗だった。朝食を食べて一服。
9時過ぎから右流れになって来たが、潮目が出来ない…風の影響が出始めて、表層流は綺麗に流れない。私の狙いは左手のラクダとの間からの払い出しが、沖の本流に向かって押し出し、流れ込む流れ…を掴む事だ。この流れに仕掛を投入し、コマセをその筋にそって打ち込み帯を作り、本流にコマセを供給する様なイメージで…本流のクロを私の作るポイントに引き付ける作戦だ。
10時頃から潮目が出来始めた。北風も更に強く吹き始め、時々突風が吹く。右手にヤエン釣りをあきらめた方も加わり4人並んで沖目を狙う。右側で足の裏サイズのクロがヒットし始めた。私はコマセにパン粉を追加して、バッカンに手を突っ込み、満遍なく掻き混ぜて遠投性を改善させ、逆風でもピンポイントで投入出来るようにした。
左のサラシからの払い出しは、時に大きく、時に小さくウネリの状態で変化している。時々バカ波を作るウネリがきた時、サラシは十分な勢いでその先端の潮を本流まで押して行く。それに仕掛を乗せ、コマセを集中させて打つ。仕掛けが馴染んで、コマセと同調しながら本流へと…結構長い時間だ…糸ふけを操作しながら糸を送り込む…
本流に入った。
やがてウキを抑える前アタリ…一呼吸して浮きが走った、ヨシ来た! あわせをくれてから手前に寄せる。手前に来て突込みが強くなった。竿・競技1.5号‐53、大きく8ノ字操作で浮かせた。マズマズのサイズの尾長だ。釣り座が高いのでブリ上げは無理、タモで掬う。40aオーバーだ、〆てキ〜プ!その後、更に38a級を追加したが、後は小振りの放流サイズ(30a未満)6枚。風は時々方向を変えながら強くなって来た。11時過ぎ、納竿にして片付けを始めた。船着きに居た人は…ボーズ、中間の2人は木っ端から35a数枚づつ。
当番瀬を離れるのは勿体無いが…沖の観音に別れを告げて次ぎへ。
先客は、お帰りになるとの事、福岡のお2人の内1人は連れがいる風裏のモイカポイントに渡礁、残る一人は風裏の離れ磯(名前は不明)へ、最後に私はモイカ狙いで湾口のサザエバエの未だ内側にある、地磯からチョット突き出たところに上がった。若いテゴのお兄さんが“ここは良くモイカが出ますよ”と嬉しいことを言ってくれた。「夕方4時に瀬ドマリのポイントに移動するので、その時ゼンゴを補充しますから、それまで頑張って下さい」と言い残してY丸は港へ帰って行った。
『大失敗』・・・ここに紹介するのも恥ずかしいが、大失敗をやらかしてしまった。
狭い釣り座に道具を置いてから、モイカを入れたクーラーを開けたら、ナント・・・ゼンゴが殆ど死んでいた・・(大泣き)。原因はエア‐ポンプの電池。瀬変わりの時、クーラーを揺らした為中ブタに仕組んだポンプ(ビニール袋に入れて有った)に海水が入り、中の電池が化学反応を起こして液が漏れ出し、それがゼンゴの入った海水に流れ込んでいたのだった。急いで水を変え、ポンプを外して中を拭きとり、電池を交換してブクブクを再開したが…20匹中生き残ったのはたったの3匹。正に悪夢。
気を取り直して仕掛を作り、貴重なゼンゴに鼻管を掛けて棚は3ピロで仕掛を投入。右手から強い風が吹いている、右側の沈み瀬との間の水道は無理なので、正面やや右に仕掛を入れた。当然海面は風の影響で左流れ、糸ふけを取りながら流す内に手前に寄って来る。仕掛を入れ直そうとした時、ウキが沈んだ。早くもモイカちゃんが食い付いたか、と竿を煽ると、ズシっと乗った。だが・・ズン、ズンと引きはモイカの2キロクラスか、と思う様なしっかりした引きだ。しかし、まてよ…何だか変な感じ!?…悪い予感的中、海面に顔を出したのは黄色の地に黒いマダラ模様の長い奴。ギャ〜〜〜、ウツボだ。幸いな事に、カンナが口ではなく横っ腹あたりに掛っていたので、竿に乗せて思いっきり振ったら外れてくれた。これで貴重な1匹を失った。残る2匹は青息吐息で元気が無い。棚を少し浅くして残った2匹で広範囲に探ってみたが・・・全くアタリが無いままゼンゴが無くなってしまった。
午後1時半、遅い昼食を食べて一休み。“死んだゼンゴでもモイカは食って来る”と師匠は言うが、ここは一つエギングの練習をしておこうと、エギの仕掛をセットした。エギは3.5号で実績の有るものをチョイス。
正面から右はあきらめて、正面から左側を攻めて見た。何度か藻の切れ端を引っ掛けて来た。釣り座から20〜30メートル程の所に藻か生えている様子だ。パターンを変えながらその辺リを集中的に引いて見た。風波でざわついているからだめかなと思いつつも、他に手が無い。
何投目か…半分諦め掛けた頃、シャクった竿にズンと手応え。来た〜〜、待望のモイカが乗ったのだった。慎重に手前に寄せて来る、触手二本がカンナにしっかり掛っていた、今回始めての貴重な1杯だ、タモで掬ってフィニッシュ。400gほどの美味しそうな食べ頃サイズ(ニンマリ)。時計を見ると3時半、片付けをしていたらY丸を待つ間も無く、船長が早目に来てくれた。
先に1人でクロ釣りをして居た福岡のK氏を回収に行ったが、少し早かったので彼は未だ片付けをして居た。待つ間にゼンゴを30匹補充した。今度は死なせないぞと慎重に扱う。K氏を回収して、私の瀬ドマリのポイントへ接岸。沖の定置網のロープと言われる独立瀬で有った。先客が2人、風裏がポイントと教えてくれた。
釣り座から船着き側を望む(風が当たる方には少し平らな場所が有るが、
釣り座の有る風裏に寝床は無い…)
定置網のロープです
モイカだけならこんなに荷物は多く無いのに…、チョット足場の悪い所を通って風裏側へ荷物を運ぶ。この作業で可也足に来た。風裏はウソの様に静かだった。 この日、Y丸の客で瀬ドマリするのは、私1人だけで、船長から明日はウネリが大きくなるから気を付ける様に、と注意された。
ゼンゴの入った活かし用クーラーの水を入れ替え、早速泳がせ釣りを始めた。始めて上がった磯の事、明るい内に釣り座廻り、ハエ根の状態、廻りの磯と潮の流れ方を見ながら、あちらこちらに流してみた。チョット釣り座は高いが、反面安全で且つ仕掛の操作性が良かった。
釣り座足元(高さ約4メートル)
モイカ釣りの仕掛を投入してから、クロ釣りの仕度をしてコマセを打ち込む、ここも餌盗りがワンサカお出ましだ。満ち込みの止まり前で、ゴールデンタイムと呼ぶ時間帯。手前にドバドバ撒餌して潮下に仕掛を投入…。ポイントを変えて今度はウキの近くにもコマセを少し…。餌盗りばかりで2.5号のハリスに6号のグレバりだがキタマクラ(泣)。
クロ釣りの合間に泳がせ釣りの方も面倒を見る。忙しい釣りになった。本当にこいつが“二兎を追うもの一兎をも得ず”か?
そこで、モイカ釣りに集中してクロ釣りの仕掛けは沖目遠投で流しておく(何やってんだこの釣りバカと思いつつ)。潮がたるんで暫く怪しい潮の動きになって来た。明るい内にモイカ釣りのポイントを決めておかなかればと、潮の動きと地形を見直して、ここぞと思う払い出しの先へ仕掛を入れた。
釣り座左手
やがてウキがピューと沈み、ゼンゴが逃げている様子…少し先でウキが浮いて来た、期待に胸躍らせて道糸の送りを調節する…するとウキが、ピコピコ…そしてスーっと海中へ消えていった。間違いなくモイカが食い付いたアタリだ。道糸を張って軽く竿を煽る、グ〜ン・グ〜ンとモイカの引きが2号48の竿に伝わってくる。慎重に裏側の水道に導き、寄せてくる。ブシュー、ブシューっとモイカが海面に現れた、すかさずタモ入れ。450gほどの奴だったが1人歓喜を上げてクーラーへ。ゼンゴは頭の後ろをガッポリ食われていた。ゼンゴを新しいのに付け変えて又同じ様に流す。(この時、既に活かしクーラーの中では数匹のゼンゴが死んでいた。直ぐ新しい海水を入れてやった)
スミの付いたタモを洗い、クロ釣り仕掛を入れ直し次ぎのアタリを待つが、依然クロ釣りの方は気が乗らない。間も無く泳がせの方にアタリが来た。ウキがピコ・ピコ…スー…で2杯目が乗った。手前に寄せて来ると…後から2杯が追ってくる。こりゃ嬉。タモを出したらそいつらは逃げていった。2杯目ゲット。クロ釣りを止めて、竿立に。夕凪時間で若干風が収まり、釣り易くなって来た。風が冷たいので薄手の防寒着を着て、今度はエギングで放射状に探って見たが…エギを変えたり、シャクリのパターンを変えたりしたのだが、悲しいかなエギには1杯も乗らなかった(自分にヘタクソー!と叱っている自分が悲しい)。
日が沈み、ウキにケミホタルを付けて夜釣りの仕度。仕掛を流して竿を置き、ケミホタルの動きを目で追いながらおむすびをほうばる。アタリが出た…今度はチョット引きが強い、サイズアップか…足元に寄せてからキャップライト点け手てタモ入れ。600gサイズの奴だった。その後はポツポツとアタリが有ったが、掛りが浅く足元で2杯バラしてしまった。流れが止まり、アタリが遠退いたので休憩とた。チョット仮眠を取るが、寝床が作れない場所なので苦労した。
10時頃から、残り少ないゼンゴを使いモイカ釣りを再開した。月が無いので潮の流れが読めない。仕方なく裏の水道筋からの流れを予測して仕掛を流して見た。アタリが無い侭ゆっくり流れて行く。上の写真の右側の瀬の少し先まで流した辺りでウキが消えた(島の間から打ち越した潮が流れ込んで来る辺りだ)。手元ライトを点けて竿を取ろうとした時、ガラっと竿が引っ張られた。しっかりした引きを楽しみながら慎重に寄せて、タモ入れ。今度も600g程有った。(北風が強くなり、ウネリも出始めて来た)
ポイントが遠いので時間が掛る…置き竿にしてラジオを聞きながらのんびり楽しむ。すると、先ほどと同じ辺りで竿引きのアタリが来た。今度は500g位のサイズだった。そいつをクーラーに収めて、新しいゼンゴをと見ると…8匹ほど残っていたゼンゴが全部死んでしまっていた(水を換えるのを忘れていたからだろう)。そこで、死んだゼンゴを取り出し、パックりあいた口を閉じさせ、鼻管を付けて流して見た。来れば儲けものだと言う思いと、師匠の言った“死んだゼンゴでもモイカは食うよ”を試して見たかったからだ。
仕掛けを流してウキを見ていると、瀬渡し船のエンジン音が聞こえ、サーチライトが照らして来た。釣り座からは船着けに来る船は岩陰になって直接見る事が出来ない、そこでキャップライトで合図を送ったのだが…構わず瀬着けして来た、2人上がって来て荷を揚げた。船のライトが強いので、私のライトは無視されてしまったのだ。渡船は帰る。さて、荷を下ろした彼の2人、ヤット我輩に気が付いた。慌てて船長に合図を送るが既に遅し。仕方無く携帯電話で連絡をとって居た。30分程して瀬渡し船が戻って来た。やれやれ、可愛そうに2人は何処かに去って行った。その後も何度か照らされたが、気の効いた船長はしっかり私の道具を確認して近づか無かった。
さて、死んだゼンゴの泳がせ(?)釣りのほうに戻ろう、実はこいつにモイカが食い付いたのだった。ウトウトしていたら竿がガラっと音を立てたので急いで竿を取るとイカの引きが伝わって来たではないか。これには驚いた。チョ‐・ウレピー!!って奴です。仕掛けはかなり遠くまで流れて行ったが、矢張り前にアタリがでた辺り。慎重に巻きながら寄せてきた、しっかりカンナに掛っている、タモで掬ってあげてみた。550g位か、死んだゼンゴで釣れたんだから上等だ。
しかし、仕掛けは物凄くヨレが入って使いものにならない。結果は出たし、そこでお仕舞いにして、寝袋被って朝までオネン寝しました。
翌朝、一番マズメのクロ釣りを頑張って見たが。外道ばかりで本命来たらずでした。ウネリが可也有り、段々模様が悪くなって来た。10時回収として有ったので、早めに片付けをしていたら、Y丸はモット早かった。9時半過ぎに向えに来てくれた。昨日と違う手後のおにいちゃんが、せっせと荷物を運んでくれたので大助かりだった。
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Y丸:2階の操船デッキ 右が船長、左は手後 |
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港へ入る所 |
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今回の釣果です クロは42cm、1.2kgと38cm970g モイカは、620g〜400g |
後書:散々苦労して、ドジばかりの釣行でしたが、何時もと違った経験が出来ました。沖観の水道にはハマチの群れがズーット居ました。後に行ったロープでもハマチの群れが見られました。多分、台風で養殖いけすから逃げ出した奴だろう。
今回始めてY丸を使ったのですが、余りお客が多く無い事、手後が手伝ってくれる事、良く相談に乗ってくれる事、ゼンゴを船の活かしに積んでいる事など、他船には無いサービスをしてくれたので、大変助かりました。
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