とき:2012/07/15~16、若潮〜中潮
ところ:水取バエ
ねらい:尾長&イサキ
始めは北さん、真弓さんと私の3人の予定だったが、残念ながら真弓さんは都合で不参加となり北さんと2人で沖黒に行く事になった。
九州北部を襲った連日の豪雨で各地に大きな被害が出ていた。私は順調に走って昼前にNFCに到着した。筏で釣っていた先生は暑さにギブアップして冷房の効いた車中で仮眠休憩中だった。
待合室で船長と談笑しながら北さんを待ったが、1時を回っても来ないので電話を入れたら、阿蘇周辺は豪雨災害の影響で各地で通行止め。菊水まで戻って由布院に抜けようとしたが大観峰から進めない、途中から竹田への迂回路を走る事になったとのこと。
北さんが3時半頃バテバテで到着した。迂回路ばかり走り回ったので、途中で休憩するのも忘れて只ひたすら西野浦めがけて、7時間以上走って来たのだった。お疲れ様でした!
休む間も無く身支度をして栄福丸に乗り込み出発。希望した東のさらしの客は夜中に回収してしまったので、何処に上がれるか…船長と相談したのだが、風が南から南東に変わるから、うねりが心配だと言う。沖黒近くに行ってみると、べったり埋まっている。しかも瀬止まり客ばかりらしい。先ずはウドバナから2人を回収。釣果は良くなかった様子である。ここはうねりに弱いから止めて船首を西に向けて空いてる磯を探すが、西の鼻、長太、千畳敷もダメ…ふと見るとミズトリバエが空いていた。選択の余地は無い、さっそく瀬着けして渡礁した。
日没まで2時間ほどしかないので、荷物を適当に配置してから、もしもの雨対策にブルーシートを張った。
さて、以前ここに上がったのは15年以上前の事か…。未だ上げ潮の残り潮が前をかすめて左のハエ根に当たってから鶴見半島に向かって流れていた。干潮であればそのハエ根の上に行って、サラシの先から流すのだが…バカ波にさらわれる危険があるので自重して安全な釣り座を選択した。
軽いコマセで表層流に乗せて流したのでは、ポイントが危険エリアに出来てしまう。とりあえずどんな流れをするのか数投危険エリアまで流してみた。すると、サラシの先でアタリがあり合わせて強引に巻き寄せて取り込んだのはサンノジ40cmほどだった。次にサラシの前でヒットしたのはクチブー40cm。何とか張り根をかわして足元まで寄せて獲り込んだ。後は北さんに任せて、正面のポイント作りに切り替えて夕マズメの勝負にそなえた。
右手の千畳敷との水道前方向から潮目に乗せて流し、正面あたりで仕掛けが狙った棚まで沈むようなイメージで流すことにした。コマセの投入は常に潮上にして正面にポイントを作るようにして手返しを続けた。やがて潮は正面から左に流れサラシの手前から沖黒に向かって流れる下げ潮に変わって行った。
どんな仕掛けだったかというと、道糸2号、ハリス2.5号、寒グレバリ4号、ウキG2をチョイス。そして棚は竿1.5〜2.5本と水温の高いこの時期としては深棚狙いとしたのだ。何でかって言うと、尾長、イサキ、真鯛の三種類の魚を釣ってやろうと考えたからである。
靄のような薄雲が低く広がり、湿った空気、ほぼ正面から南東の暖かい風が吹いてくる。時々バカ波が這い上って来てシブキを上げる。念のため、釣り座周りのバッカンとクーラーはハーケンを打ち込んでロープで繋いでおいた。
良い感じで潮が流れだした。毎回サシエが盗られる。棚を浅くすればコッパグロが釣れるだろうが、それは止めにした。右にやや遠投して潮目に乗せコマセを集中して打ち込み、しもったウキが先行する様にふけ糸を風に乗せて潮下に送り、ふけ糸の遊びを巻きながら潮目から外れないように流す。
正面手前で追いコマセを打ち込む。左のハエ根の手前で流れが沖に向きを変えるあたりで仕掛けに張りを持たせた途端、ウキが消し込み魚信が竿に伝わってきた、瞬間早巻きしながら竿を煽りガッチリフッキング。竿を下げながら竿を煽ってハエ根に突っ込むのをかわして向きを変えてからガンガン巻き、竿を立て突っ込みをかわそうとするが早くも足元に突っ込んで来た(尾長だ)。一瞬足元の深い位置で止まった感じがした、急いで竿を右前に煽って引きずり出したら動き始めた。後は大きく8の字操作で浮かせタモ入れ。デカ尾長とまでは行かないが45cmの綺麗な尾長だった。
後は北さんに任せようと、一服してから仕掛けを夜用に変更。1Bの電気ウキ、ハリスは3号、ハリはグレ針5号に変えた。狙いはイサキか真鯛だ。
間も無く北さんも夜の仕掛けに変えて釣り始めた。比較的手前の潮に乗せて沈めウキでやや浅い棚を探っていた北さんに小イサキが連続してヒットした。
その時、北さんに電話が入った。“義父が、夕方ミカン山に行ったまま帰ってこない。乗っていったトラックはミカン山に放置されており、キーは付いていない。周辺や道沿いを探したが見付からないので、捜索願を出した”との事、それからの北さんは釣りに集中できない心境になっていた。話を聞くと、少し痴呆が出始めた義父だが、山を熟知した人で、水飲み場も小屋も人家も良く知っているので、どこかに無事でいるだろうと希望を持って報告を待つことにしたようだ。
さて、私は少し沖目の潮に乗せて流していたので、竿2本程度のままイサキのあたりを待った。やがてコマセが効いてきたのか、私にも小イサキがヒットし始め、入れ食いにはならなかったが、何とか3匹釣った。しかし、まもなく潮が変わってアタリがなくなったので休憩する事にした。
朗報を待ちながら、とりあえず2人で宴会を始めた。ビールで乾杯、焼肉を肴に飲み始めたが、北さんは食欲が無い。最後にミックス中華麺を作って食べたのだが、北さんは電話で何度か問合せするも、相変わらず義父の安否が不明、明日早朝から消防団が捜索するそうだが、食事が喉を通らない様子だ。早々に宴会を切り上げて寝る事にした。
2人とも寝たり起きたり。空の東側は星空、下限前の細い月に寄り添うように金星と土星?が輝いている、西側はどんより厚い雲が流れる。いつしか深い眠りに落ちて、目が覚めたのが5時過ぎ。
少し小雨がパラついたが、幸い直ぐに止んでしまった。
北さんは早上がりをしなければならないので、朝マズメに期待して頑張る。北さんにヒット…が、痛恨のバラシ。6時、船長に8時回収のお願いをして、北さんは早目に片付けを始めた。
私は全層仕掛けで潮目を流しアタリを探っていた。数回アタリを捕らえるのだがフッキングしない。そうこうするうちに、栄福丸の船影が見えてきた。
北さんだけ回収して頂いて、私は昼まで釣ろうと思ったのだが、船長から“うちも不幸ができたので、一緒に上がってくれ”と想定外のハプニング。慌てて散らばっている道具を片付け、急遽一緒に回収してもらうことになり、終了。
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今回渡礁した千畳敷の東にある独立瀬 ミズトリバエ |
沖からの波が時々しぶきを上げる | |
左流れが続き、クロがヒットしたもののハエ根に突っ込まれ たり裏側に廻り込まれたりで連続してウキをロスト! 苦戦が続き、後姿に元気が無い 腰痛の為、腰のバンドが暑そうだ |
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マズメの一発を狙うも、中グロと小イサキのみに終わった初日、 “宴会にしようか”と笑う北さん |
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蒸し暑いからビールがウマイ! 焼肉を肴に宴会突入 だが、北さんの心境は心ここにあらずや… |
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最後は特製ミックス中華麺で腹いっぱい | |
飲んで、喰って…後は寝るだけ 寝酒を追加したが…やはり義父の安否が気になって |
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二日目 私の釣り座 ハーケンを打ち、ロープでバッカンやクーラーを 繋いでおいた |
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時間がないから頑張るぞー! 来たー!… |
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…“途中でバレちゃった”と照れ笑いする北さん | |
回収や瀬替わりで忙しい米水津の渡船 | |
お詫び: 釣果写真…船長に撮ってもらったが、 自分のカメラで撮るのを忘れてしまった |
ごめんなさい! |
◎ 北さんは早々に帰路に着いた(勿論大分自動車道経由で)。2時間ほどしてから北さんに電話したら“民家の前で疲労困憊して休んでいたのを発見され、怪我も無く無事保護された”との報告があったそうだ。良かった!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜by Toyoiso〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜